理工系学部のある大学のうち、女性限定の定員を設ける「女子枠」を2024年度入学から導入した大学が16校に上ることが、民間機関の調査で明らかになった。女子枠を設けている大学の約7割が24年度分から始めた形で、女性の割合の低い研究環境を変革したい大学が急速に増えていることがわかった。
調査は8日の「国際女性デー」を前に、フリーマーケットアプリ「メルカリ」創業者が設立した公益財団法人「山田進太郎D&I財団」(東京)が発表した。
女子枠を導入済みか予定する40校に導入時期を調査し、24校が回答。それによると、20年度以前は3校だったが、文部科学省が22年、女性の理系選択支援に力を入れる方針を示すと、状況が変化。23年度は4校、24年度は16校に増え、25年度は新たに1校で予定していることがわかった。
同財団は、研究環境の多様性を向上させたい大学が増えていることが背景にあると分析。一方、24校のうち10校は、「男性に対する逆差別」「大学のレベルが下がる」などの反対意見が学内外から寄せられたと明かした。同財団の担当者は「学生の多様性促進など、女子枠導入の目的や必要性を社会に明確に伝える取り組みが必要だ」としている。