文部科学省は1日、国立大学に通う外国人留学生の授業料の上限を撤廃した。同省は先月29日に省令を改正した。これまで日本人学生と留学生の授業料は同額だったが、外国人留学生の授業料の値上げが可能となる。

文部科学省

 国立大学の授業料については、省令で年間53万5800円を「標準額」とし、2割増の64万2960円までを上限に各大学が定める仕組みとなっている。

 一方で、留学生には特別な配慮を必要とするケースが多く、海外では自国の学生に比べて授業料を高く設定するのが一般的だという。そのため、文科省は値上げを可能とし、その増収分で、各大学が日本語の補講や論文執筆の支援を強化したり、相談体制を充実させたりすることなどを想定している。

 経済協力開発機構(OECD)の資料によると、アメリカでは約1・5倍、オーストラリアやカナダでは約2倍、自国の学生よりも高い授業料を課している。

 政府の教育未来創造会議は昨年4月、2033年までに外国人留学生を40万人とする目標を掲げ、受け入れの質を向上させるため、「授業料設定の柔軟化」を提言していた。