急増した学童保育の待機児童に対応するため、東京都文京区は1日、児童を定員に空きのある学童保育の育成室へタクシー送迎する事業を始めた。

 区によると、例年20~30人程度だった学童保育の待機児童が、昨年(4月1日時点)は97人に急増。区は育成室を10か所増やしたものの、待機児童は解消しなかったため、待機児童の多い地域の児童を、空きのある育成室までタクシーで送迎することにした。

空きのある学童保育の育成室まで送迎するタクシーに乗り込む児童ら(東京都文京区提供)

 対象は区立窪町小学校(文京区大塚)周辺の児童で、放課後に同小付近から約2キロ離れた水道第二育成室(同区水道)へ運ぶ。午後5~6時頃に再び同小へ送って帰宅させる。運行は平日や土曜のほか、長期休業期間中も対応し、利用は無料。1日は児童3人が利用した。

 区児童青少年課の担当者は「育成室を増やすまでの苦肉の策だが、区内の児童が放課後の居場所に困らないよう対応していきたい」と話した。