首都圏の私立大学に昨年度入学した学生の受験から入学までにかかる費用が230万2181円に上り、過去最高となったことが5日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で明らかになった。前年度から4万6801円増え、物価高が一人暮らしの大学生の生活を直撃している現状が浮かんだ。
調査は昨年5~7月、早稲田大や明治大など1都3県にある13大学・短大の学生の保護者を対象に実施し、約3900人が回答した。
結果によると、一人暮らしの私大生の受験から入学までの費用では、家電や家具などの「生活用品費」が36万3800円で前年度比4万4800円増加。一方で、「受験費用」は25万3800円で1万1500円減となり、東京私大教連は「物価高などの影響で受験機会を減らして出費を抑えざるを得なかった様子がうかがえる」と分析する。
また、保護者からは「(子供が)アルバイトありきで大学生活を始めたが、無理がたたって体調を崩し、1か月通学できなかった」「奨学金の所得制限を撤廃してほしい」などの声が寄せられたという。
自宅から通学する学生も162万3181円(前年度比1万901円増)で、過去最高だった。
大学生らの授業料減免や給付型奨学金の制度では、文部科学省は今年度、子供が3人以上いる多子世帯と私立の理工農学系の学生について、世帯年収上限を380万円程度から600万円程度に緩和した。