文部科学省は、公立小中学校に若手教員の指導にあたるポストを新設する方針を固めた。校長ら管理職を補佐する主幹教諭と一般の教諭の間に位置付け、給与も増額する。文科省の中央教育審議会でも議論されており、近く中教審が示す素案にも盛り込まれる見通し。
ポストが新設されれば、2008年度に制度化された主幹教諭以来となる。
学校組織は大きく分けて、校長や教頭ら「管理職」と、教員を取りまとめる「主幹教諭」、「教諭」で構成される。文科省は、全体の約9割を占める教諭のなかに、若手教員への指導や助言を担う新たなポストを設け、職責に応じて給与を上げる考えだ。
学校現場では近年、大量採用世代の退職に伴い、教員の採用が増加している。学校現場が多忙化するなか、ベテランの主幹教諭よりも若手教員に近い立場で、指導や助言をする役割が求められていた。また、教員中間層の給与増につなげ、処遇の改善を図る狙いもある。
東京都は09年度から、主幹教諭と教諭の間に「主任教諭」のポストを独自に設けている。都教育委員会が経験8年以上の30歳以上の教諭から任命し、給与も増額している。主任教諭は全体の4割弱を占めており、新設されるポストへの任用が都教委と同じ割合だとした場合、全国で20万人規模となる。
中教審は5月にも案を取りまとめる予定で、文科省は来年以降の義務教育費国庫負担法の政令改正などを視野に入れている。