千葉大は17日、同僚教員と学生にアカデミック・ハラスメント(立場を利用した嫌がらせ)をしたとして、同大の60歳代の男性教授を停職4か月の懲戒処分としたと発表した。処分は12日付。
同大によると、教授は2019年、教授の研究室に所属し、学部生だった学生に対し、必要性が不明確なまま2人での海外出張に同行させた。学生が大学院に進み、企業へのインターンシップ(就業体験)に行き始めた頃からは、威圧的な態度をとり、研究室の実験設備を使わせなかった。
同大はまた、元教員の説明や関係者への聞き取りに基づき、教授が19年から元教員への嫌がらせを始めたと認定した。
このうち、教授は20年からの約2年間、当時同僚だった元教員から受け取った論文について、外部に発表する手続きをとらなかった。元教員が催促すると、「逆ハラスメントだ」と他者に吹聴し、退職を勧めるような発言をした。元教員は22年12月に退職した。
同大は22年8月、2人から被害の申し立てを受けて調査を開始。23年10月に人事調査委員会を設置した。
教授は23年12月、人事調査委からの聞き取りに謝罪の意思を示した。しかし、今年2月に処分内容の説明を受けると、「ハラスメントではない」といった趣旨の意見陳述書を出して反論したという。
横手幸太郎学長は、「誠に遺憾。二度と同様の事案が発生しないよう再発防止と信頼回復に努める」とのコメントを発表した。