全国の公立小中高校のうち、文部科学省が推奨するインターネットの通信速度を満たしていない学校が8割に上ることが同省の調査で判明した。政府の「GIGAスクール構想」の下、各学校は1人1台の学習用端末の活用を進めているが、通信環境が課題となる。

文部科学省

 調査は昨年11~12月、全国の教育委員会と公立小中高校約3万2000校を対象に実施。通信契約の内容や通信速度などを調査したところ、推奨値を満たした学校は21・6%にあたる6503校にとどまった。学校の規模が大きくなるほど、通信環境が悪くなる傾向がみられたという。

 文科省は全ての授業で多数の児童生徒が同時に端末を使用しても、動画教材の視聴などにほぼ支障が生じない通信状態を推奨している。今回初めて学校の規模別に通信速度の推奨値を示し、児童生徒数が560人規模の学校の場合、「525Mbps(メガ・ビット毎秒)」などとした。

 文科省は今後、各自治体に通信契約の見直しなどを求め、財政支援も検討する。