宮崎県立高校と宮崎市立中学校のうちそれぞれ約4割の学校で、制服を男女で区別していることが、県弁護士会が1日発表した校則の調査結果でわかった。髪形など頭髪についても県立高の約4割、市立中の6割は男女別に規制しているという。こうした区別の撤廃は近年、各校で進んでいるとみられるが、同会はまだ途上とみており、「性的マイノリティーの子どもが苦痛を感じている可能性がある」としている。
調査結果を発表する県弁護士会の弁護士たち(宮崎市で)
同会によると、調査は、全日制と定時制がともにある県立高も含め県立高延べ41校、宮崎市立中25校の昨年9月時点の校則を対象に行った。
制服を男女で区別しているのは県立高18校、市立中11校。区別していない学校ではAタイプの「学生服・ズボン」、Bタイプの「セーラー服・スカート・ズボン」のいずれかを選択できるなどしているという。頭髪を男女別に規制しているのは県立高18校、市立中15校だった。
一方、同会は県立高41校と宮崎市立中25校に校則の改正状況のアンケートも実施。県立高の40校、市立中の全25校が2021年1月~昨年6月に何らかの改正をしていると回答した。改正した項目(複数回答)は県立高、市立中とも「服装・下着・防寒具など」(県立高33校、市立中25校)が最も多く、次いで「髪・眉など」(県立高28校、市立中23校)で、3番目に多いのは県立高が「携帯持ち込みルール」(23校)、市立中は「
鞄(かばん)
・所持品など」「その他」(ともに3校)だった。
同会はこうした動きを評価する一方、「見直しはまだ途上」と指摘。制服や髪形を男女で区別することについて、「男性と女性はこうあるべきという、解消されるべき性別役割分担意識にもつながる固定観念を学校が発信することにもなりかねない」としている。