小高い丘に広がる千葉明徳中学・高校(千葉市)の屋上にやってきました。丸いフォルムの、ドームのような施設が見えます。その正体は「月面のクレーターまで鮮明に見える」という本格的な天体望遠鏡を備えた天文台のようです。さっそく、内部に潜入します!

定時制の仲間と恩師、戦争といじめで傷ついたサヘル・ローズさんに贈られた言葉は「頑張らなくていい」

観望会に上がる歓声

天体望遠鏡をのぞく生徒たち(千葉市中央区の千葉明徳中学で)

 天文台が誕生したのは10年ほど前。1972年4月をもって休校していた中学校が、2011年に再び開校するのに合わせてつくられました。理科の教員だった福中儀明理事長が「学校の目玉として、屋上に天文台を置こう」と提案し、実現しました。

 内部には、普通の学校では見かけない珍しい望遠鏡があります。集光力が高く、はるか遠くの
星雲(せいうん)
などをとらえることができる「カセグレン式反射望遠鏡」や、月の全体像を見るのに適した「
屈折(くっせつ)
望遠鏡」など、どれも本格的です。地域に開放することもあり、小学生とその保護者を招いたこともあったそうです。

天体望遠鏡(4月11日、千葉市中央区の千葉明徳中学で)天体望遠鏡(4月11日、千葉市中央区の千葉明徳中学で)

 天文台では年10回ほど、放課後に希望する生徒を集めて「天体観望会」が開かれます。土星の「輪」や、木星のしま模様なども見ることができ、観望会に参加した生徒たちからは歓声が上がるそう。イラストや写真で何となく知っていても、実際に目にしたときの驚きは大きいようですね。

 自宅に小型の天体望遠鏡を持っているほど、天体が好きだという中学3年の藤沢綾花さん(15)は、昨年11月、初めて観望会に参加しました。入学前からあこがれていたそうですが、観望会はコロナ
禍(か)
でしばらく開催できなかったため、再開した昨年、ようやく念願がかなったのです。

千葉明徳(学校提供)千葉明徳(学校提供)

 実際に望遠鏡をのぞいた時には「わくわくが止まらなかった」という藤沢さんは「月の表面がくっきり見えて、感動した。高校では天文部に入りたい!」と、とびきりの笑顔で話していました。

 ちなみに、校舎内の廊下には、天文台から撮影した写真を掲示しています。銀河や星雲、
星団(せいだん)
などの美しい姿をとらえた写真と、その解説も添えられています。天文に関心を持つきっかけも、ちりばめられているんですね。

(全文は読売中高生新聞5月3日号掲載、購読は
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学校プロフィル

千葉明徳中学校・高校(千葉市)

【生徒数】中学:241人、高校:1042人

【歴史】千葉淑徳高等女学校として1925年(大正14年)に創立

【高校卒業後の進路】83%が4年制大学に進学。専門学校や海外の大学に進む生徒も

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