法政大の多摩キャンパス(東京都町田市)で、学生たちが電動車両をレンタルして通学するユニークな実証実験が始まった。31日まで続けられ、事業化の可能性を検証するという。
電動トゥクトゥクで法政大多摩キャンパスに着いた学生たち(22日、東京都町田市で)
同大の「ソーシャル・イノベーションセンター」の教育プログラムで、昨年度の最優秀賞に輝いた社会学部3年の山田嘉脩さん(20)のアイデアを大学側が採用。3人乗りの電動小型マイクロモビリティー「電動トゥクトゥク」を観光地などで運用する「eMoBi」(中央区)が車両を貸し出すなどして、今回の実証実験が実現した。
同キャンパスは町田市と八王子市の市境付近にあり、約9000人の学生が学んでいる。同大によると、キャンパスまでの距離はJR中央線西八王子駅から7キロ超、同横浜線相原駅から4キロ超あり、多くの学生が両駅から路線バスに乗るなどして通学しているため、キャンパスと両駅との間での活用が決まった。
学生らは片道600円などの料金で車両を駅やキャンパスでレンタルし、係員に運転操作の説明を受けた上で乗車する。22日に友人2人を乗せて西八王子駅からキャンパスまで運転した社会学部4年生(22)は「試しに乗ったが、自然の風が気持ちいい。3人で割り勘すればバスより安く、毎日でも使いたい」と喜んでいた。
また、発案した山田さんも実験に参加し、「提案が採用されてうれしい。本格実施につながれば」と期待を寄せた。乗車できるのは同大の学生のみで、運転には普通運転免許が必要となる。