世界トップレベルの研究力を目指す「国際卓越研究大学」の認定候補に選ばれた東北大について、盛山文部科学相は14日、東北大が示した研究体制の強化計画が「認定水準を満たしている」とする有識者会議の審査結果を公表した。認定に向けて大きく前進した形で、今後、政府の総合科学技術・イノベーション会議などの意見を聞いた上で、今年度中に正式認定する見通しだ。
東北大学
文科省の有識者会議は昨年9月、東北大を認定候補第1号に選んだと発表した。ただ、研究資金の受け入れ額を10倍以上にする東北大の目標について「従来の成長モデルの延長線上では達成は困難」と見直すよう要請。海外からの研究者の受け入れ体制強化など、追加条件として6項目を示した。
東北大は計画を見直し、研究資金を獲得する重点分野の選定や大学発新興企業の支援強化策、日本語と英語の公用語化を進める具体的工程などを新たに示し、有識者会議が審査してきた。盛山文科相は同日の閣議後の記者会見で「計画の精査や具体化が図られ、認定水準を満たしうるとの結論に至った」と結果を発表した。
政府は昨年12月、国立大学法人法を改正し、国立大のガバナンス(組織統治)強化の一環として、学外委員らの意見を経営方針に反映させる合議体「運営方針会議」の設置を義務づけた。
東北大は、今年10月の改正法施行後に合議体を設け、全ての条件を満たす計画だ。認定されれば、政府が設置した10兆円規模の大学ファンドの運用益を元に最長25年間の助成を受けられる。