熊本市教育委員会は来年4月から、市立中学校で初となる共通の標準服を導入する。女子生徒からスラックスの着用を望む声があり、各校それぞれの制服は残し、選択肢を広げる。市教委は今月上旬に素材や寸法などを定めた仕様書を公開しており、製造、販売業者を募る。(石原圭介)
来年4月から導入される共通標準服のブレザーとスラックス、スカート(熊本市教委提供)
標準服は男女とも紺のブレザーで、下はグレーのスラックスとチェック柄のスカートが選べる。胸元には市の木「イチョウ」、市の花「ヒゴツバキ」、熊本の豊かな水を表す黄、赤、青色で彩ったエンブレムをあしらった。
市教委教育政策課によると、制服は学校によって異なり、学ランやブレザーなどが混在していた。ブレザーがない学校では、スラックスを着用したいという女子生徒が学ランで通学することもあるという。
来年4月から導入される共通標準服のポロシャツ(熊本市教委提供)
市教委が校則の見直しなどを進める中で、学校側から提案があった。今年3月、複数のデザイン案から市内の小中学生らの投票で一つに絞り、仕様書を作成した。
中川浩二課長は「男子は学ラン、女子はセーラー服という考え方を変え、新しい選択肢として導入する。市内の転校先でも着用でき、校区外の知人に譲渡もできる。リユースにもつながるのではないか」と話した。