文部科学省は、小学6年生と中学3年生を対象に毎年4月に実施している全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、2027年度から学習用端末を使いオンラインで出題・解答する方式(CBT)に全面移行させる方針を固めた。また、26年度の中学英語はすべてをCBTで行う。8日に開かれる文科省の有識者会議で、26年度以降の実施概要案を示す予定だ。

文部科学省

 全国学力テストは小中学生約200万人が対象で、国語と算数・数学は毎年度、理科と中学英語は原則、3年に1回行われる。

 全国学力テストでのCBT化を巡っては、25年度に実施される中学理科での導入が既に決まっている。中学英語では23年度に「話す」テストで先行実施したが、26年度は「読む」「書く」「聞く」のテストもCBTで行う。27年度以降は小中学校の国語と算数・数学にも拡大し、小学理科は28年度から導入する。

 文科省は、CBTで動画や音声も取り入れた幅広い出題が可能となり、蓄積できる児童生徒のデータ量も増えることから、指導の充実につなげられる利点があるとする。

 一方、CBTへの全面移行は、学校のネットワーク環境の改善が課題となる。23年の調査では、全国の公立学校の8割は、文科省が推奨するインターネットの通信速度を満たしていなかった。23年度に実施された中学英語の「話す」テストでは、機器の不具合などで、テストを受けた生徒のうち、約1割の音声が正常に録音、登録されなかった。