授業料の引き上げを巡り、東京大学は12日、11月までに方針を決定すると明らかにした。同月、授業料を記載した2025年度入学者の募集要項を公表する予定だ。
東京大学の赤門
東大の藤垣裕子副学長は同日開いた来年度入試の記者会見で、授業料の検討状況について「現在、学内のプロセスを丁寧に踏んでいる段階だ」と説明。近く報道向けの説明会を開催するとした。
国立大学の授業料は文部科学省令で年間53万5800円を標準額とし、最大20%まで増額できる。東大は04年度の法人化以降、授業料を標準額に合わせてきたが、25年度から20%引き上げ、64万2960円とすることを検討している。
会見ではこのほか、25年度一般入試から、第1段階選抜(門前払い)の基準を変更すると発表した。文科1~3類は2・5倍(24年度入試は3倍)、理科1類は2・3倍(同2・5倍)、理科2類は3倍(同3・5倍)とする。理科3類は3倍のままだ。
京都大などで導入表明が相次いでいる入試の女子枠について、藤垣副学長は「女子、地方出身者、留学生を含め、入試全体での多様化を検討している」とした。