全国の公立小中高校などで、定数を満たせなかったり、産休や育休による欠員を埋められなかったりする「教員不足」が、今年5月時点で少なくとも4037人に上ることが、全日本教職員組合(全教)の調査でわかった。全教の担当者は「学校現場は限界にきている。労働環境の改善が急務だ」と話している。

文部科学省

 調査は、全国の教育委員会や組合員に対し、5月1日現在の状況を尋ね、回答のあった37都道府県と10政令市の結果をまとめた。

 教員不足は小学校で1732人、中学校は1244人、高校は433人、特別支援学校は473人に上った。理由別では主に、「定数を確保できない」が902人、産休・育休や病気休職などの「代替者がいない」が計1161人、「授業のみを担当する非常勤の教員らの不足」が927人だった。

 影響として「体育科(の教員)が家庭科を代行」「授業を2クラス分まとめて体育館などで実施した」などの回答があった。

 教員不足への対策については、回答のあった7割が非常勤教員らで対応しているとしたが、3割近くは人的補充がないまま校内でやり繰りするなどとしていた。

 昨年5月の調査でも回答があった24都道府県と5政令市で結果を比べると、教員不足は昨年の2018人から今年は2753人に増えていた。

 文部科学省が2021年度に全国で行った初の実態調査では、教員不足は公立校で2558人だった。