中央教育審議会の「大学分科会」と「高等教育の在り方に関する特別部会」の合同会議が19日、開かれた。今後の急速な少子化を見据えた大学の統廃合や定員減を進め、適正規模にしていくべきだとする中間まとめ案を大筋、了承した。中教審は年度内に答申する予定。

 文部科学省によると、2023年の18歳人口は約110万人で、大学進学者は約63万人。中間まとめは、40年頃に進学者が毎年、中規模の大学約90校の入学定員に相当する約2万3000人減少するとの試算を示し、「定員未充足や募集停止、経営破綻に追い込まれる高等教育機関がさらに生じることは避けられない」と強調した。

 その上で規模適正化の具体策として大学の定員縮小・撤退に向けた支援と指導の強化や再編・統合の推進などを挙げた。大学の新設についても、将来の学生確保見通しなどに基づく設置認可審査の厳格化を求めた。

 一方、今後は高等教育が受けられなくなる地域が出てくる恐れもあるとし、大学や自治体、産業界で、地域の実情に合った適正規模や人材育成について話し合う場の構築などを促した。23年度には、地方を中心に私立大の53%が定員割れとなっている。

 学生の成績評価や卒業認定の厳格化、留学生や社会人など多様な学生の受け入れ推進による「教育の質」の向上策も示した。

 特別部会は秋以降、国から大学への公財政支援や授業料など学生・保護者負担の在り方、民間からの寄付や投資拡大など多様な財源確保について議論する。