岡山理科大(岡山市北区)は、恐竜について多様な視点から学べる「恐竜学科」を来年4月に開設する。既存の生物地球学部生物地球学科内の「恐竜・古生物学コース」を学科に昇格させ、専門科目の拡充や専任教員の増員など教育・研究体制を強化する。
「恐竜学科」開設へ決意を語る平野学長(右から3人目)(岡山市北区で)
平野博之学長は「世界的にもほとんど例がない独自の恐竜学を展開し、新しい知見を発信したい」と意気込む。文部科学省によると「恐竜学科」の開設は初めて。福井県立大も来春、「恐竜学部」(仮称)を開設する予定。
岡山理科大はバイオ関連企業の林原(現・ナガセヴィータ、岡山市北区)から古生物研究事業を引き継ぎ、2014年に「恐竜・古生物学コース」を開設。モンゴルのゴビ砂漠で恐竜化石の発掘などに取り組み、世界最大級の足跡化石を発見するなどの成果を上げてきた。
「恐竜学科」は6月21日に設置の届け出が文科省に受理され、来年4月の開設が正式に決まった。同大によると、恐竜研究を志す若者が増え、専任教員の数が足りなくなっていたという。ニーズに応えるため、専任教員を4人から8人に倍増させ、学生の受け入れ可能人数を約30人から45人に引き上げる。専門科目も12から33科目に増やす。分子古生物学や解剖組織学実習など生命科学の視点を取り入れた学びが特徴という。
恐竜学科専任教員に着任予定の実吉玄貴・准教授は7月17日の記者会見で、これまでの恐竜研究は地学、地質学が中心だったと説明。「恐竜を生き物として見るカリキュラムが必要だ。この10年の研究を礎に生命科学の視点を足し、自然科学に対する広範な学びの場にしたい」と力を込めた。
同大は27、28日に実施するオープンキャンパスで、学科の特徴や入試日程などについて説明する。