【エルサレム=福島利之】イスラエル軍は10日、パレスチナ自治区ガザ北部のガザ市の学校を空爆し、ガザの当局によると、学校に避難していた女性や子どもを含む100人以上が死亡し、数十人が負傷した。イスラエル軍は、イスラム主義組織ハマスの司令部として使われていたと主張しているが、ハマス側は否定している。

ハマス、エジプト境界のイスラエル軍駐留は「受け入れられない」と拒否…ガザ停戦交渉

空爆を受けたガザ北部の学校(10日)=AP

 中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラによると、10日早朝、避難民らで密集する学校に3発の爆弾が撃ち込まれた。イスラエル軍は「攻撃の前に空からの偵察など民間人を傷つけるリスクを軽減する措置を取った」と発表したが、ハマス側によるとイスラエル軍からの事前の警告はなかったという。ハマスは「避難民に対する極悪な虐殺だ」と非難する声明を出した。

 イスラエル軍は9日、南部ハンユニスで地上作戦を含めた大規模な攻撃を開始した。ハマスの拠点とする30か所以上の標的を空爆し、ロイター通信によると、少なくとも35人が死亡した。

 ガザでの戦闘の停戦を巡る協議が仲介にあたる米国とエジプト、カタールの後押しで15日に開催される予定だ。一連の攻撃を受け、ハマスが態度を硬化させる可能性がある。

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