文部科学省は27日、教員の働き方に関する改革案をまとめた。来年度は教員約7700人を増員し、小学校で「35人学級」への対応や教科担任制の拡充などにあて、新人教員の持ち授業時間数を2割削減する。近く、こうした施策をまとめたパッケージを公表する。

文部科学省

 教員の長時間労働を背景に、なり手不足が深刻化するなか、働き方改革を加速させる狙いがある。

 改革案では、教科ごとに専門の教員が教える教科担任制を現行の小学校5、6年から3、4年の中学年にも広げ、来年度は教科担任教員を2160人増員する。中学年の学級担任の週当たり持ち授業時間数を3・5コマ(1コマ45分)減らす。

 新人教員が学級担任になった場合は受け持つ学年を問わず、教科担任制を取り入れ、週当たり5コマ減とする。新人が教員一般の週当たり平均24コマを担当している場合、2割程度削減される見込みだ。

 また、1学級当たりの児童数の上限を40人から35人に引き下げることを進め、来年度は3637人増やす。

 中学校では、不登校やいじめに専従する「生徒指導担当教員」も4年かけて全公立中学校に配置し、来年度は1380人を確保。過疎化や貧困など多様化する課題への対応として476人を増員する。

 副校長や教頭をサポートする人材も現在の1000人から3000人にする。校長らの管理能力を高めるための研修を新たに実施するほか、校務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進し、教員の負担軽減を図る。

 中央教育審議会は27日、公立学校教員に残業代の代わりに一律支給されている「教職調整額」を基本給の4%から10%以上へ引き上げるよう盛山文科相に答申。文科省は来年度予算の概算要求に教職調整額を「13%」として盛り込む方針だ。