世界の小中学生を対象に算数・数学、理科の学力を測る2023年の「国際数学・理科教育動向調査(
TIMSS(ティムズ)
)」で、日本は前回19年に続き、算数・数学で5位以内に入り、理科もトップレベルを維持した。各国の研究機関などでつくる国際教育到達度評価学会が4日、結果を公表した。
小4の理科で出題された、砂漠にすむ生物を選ぶ問題。正解は、ラクダ、サソリ、トカゲ
TIMSSは4年に1度実施され、今回は、58か国・地域の小学4年生、44か国・地域の中学2年生の計約66万人が参加した。日本は計約7800人が対象となった。
算数・数学では、日本の小学生の平均得点は591点(前回比2点減)で世界5位、中学生は595点(同1点増)で4位となり、いずれも前回と同じ順位だった。
理科は、小学生が555点(同7点減)で順位を前回の4位から6位に下げ、中学生は557点(同13点減)で前回と同じ3位だった。
文部科学省は「全体的には世界でも高水準の学力を維持している」とする。
一方、小学生の理科の得点が下がったことについて、文科省は「日本の子どもにはなじみのない内容や学習指導要領で学ばないことが出題された」と説明する。小学生の理科では、砂漠の生き物が出題された=写真=。クマやラクダなど六つの生物を示し、砂漠にすむ生物を全て選ばせた。正答率の国際平均は52%だったが、日本は33%と低かった。
国・地域別では、シンガポールが全4教科ともトップとなり、台湾と韓国は各教科で4位以内に入った。
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TIMSS
=児童生徒の算数・数学と理科の学習到達度を測る国際調査。1995年から始まり、同年の国際平均値を500点として統計処理し、過去の得点と比較できるようにしている。英語表記は、Trends in International Mathematics and Science Study。