東京大学が、2027年秋に創設する5年制の新課程「カレッジ・オブ・デザイン」のトップに、学内の外国人教授を起用する方針を固めたことが3日、わかった。新課程は学部の一つとする方向で、東大の学部長に外国人が就くのは1877年の開学後、初となる。100人程度の定員の半分を海外からの留学生とし、日本人学生を含む多様な若者の学びの場となることを目指す。
新学部「カレッジ・オブ・デザイン」の概要
東大が学部を新設するのは、1958年の薬学部以来、約70年ぶり。東大で11番目の学部となる。東大によると、名称の「カレッジ・オブ・デザイン」は、社会変革へとつながる道筋を構想する場との意味を込めたという。
新学部は、欧米の大学で主流の秋入学とし、現行の東大入試とは異なる方法で学生を選抜する。学部の4年と大学院修士課程の1年を合わせた5年で、学士と修士の両方の学位が取得できる。1年次は全寮制とし、学生が寝食を共にしながら過ごすことで、異文化理解を促進する。
授業は、すべて英語で行う。文系・理系の枠にとらわれず、学生自身が学ぶテーマを決められるのが新学部の特徴だ。気候変動や生物多様性、社会のデジタル化など、従来の学問区分では解決が難しい課題に取り組む高度人材や次世代を担うリーダーの育成を目指す。東大の教授陣に加え、国内外からトップクラスの研究者らを積極的に招く。
東大が新学部を設ける背景には、国際化や多様性で海外の有力大学に後れを取っている現状がある。
現在、東大の学部生に占める外国人留学生の割合は2%で、学生や教員の女性比率も20%前後にとどまる。
東大は、新学部の学部長に外国人を起用することで多様性を国内外にアピールし、優秀な学生を呼び込みたい考えだ。