現役教員や有識者らでつくる団体が公立小中学校の教員に教員不足の状況を尋ねたところ、昨年12月時点で、小中とも半数以上の教員が「欠員が出ている」と回答したことが9日、わかった。教員不足が年度当初と比べて深刻化している実態も浮かんだ。

 調査を実施したのは、NPO法人「スクール ボイス プロジェクト」。昨年12月下旬から今年2月下旬にかけてネットを通じて調査し、小中高校などの教職員1325人が回答した。

 調査結果によると、昨年12月1日時点で「欠員が出ている」としたのは、公立の小学校の64・2%、中学校で55・9%に上った。昨年4月時点での割合は、小学校37・1%、中学校37・0%で、年度当初からいずれも大幅に悪化していた。

文部科学省

 教員不足の影響について、教員からは「2か月近く空き時間がない」「無理を押し、教員の関係性にも影響が出ている」などの声が寄せられたという。

 調査に関わった教育研究家の妹尾昌俊さんは、「教職員の体制作りは子どもたちの学びの根幹だ」と指摘。同NPOは、国や自治体に対し、専門職員を配置し、授業時間に上限を設けることなどを提言した。