大阪大は2026年度入学生の入試から、基礎工学部の学校推薦型選抜に20人程度の「女子枠」を設ける方針を固めた。女性の割合の低い研究環境を変革する狙いで、17日の学内会議で決定する。神戸大が25年度、京都大が26年度に女性のみが出願できる入試を始める予定で、関西の主要国立3大学がそろって女子枠を導入することになった。
大阪大学
阪大基礎工学部の24年度入学生の定員は、電子物理科、化学応用科、システム科、情報科の4学科で計435人。うち一般選抜が390人、学校推薦型選抜が45人となっている。
複数の阪大関係者によると、26年度入試で学校推薦型選抜に「一般枠」と「女子枠」を設定。一般枠は従来定員と同じ45人とし、20人程度の女子枠を増やす。
女子枠の選抜は従来の学校推薦型と同様、大学入学共通テストの成績と自己推薦書などの書類審査、口頭試問で評価する。
文部科学省が23年6月に公表した24年度の大学入学者選抜実施要項に関する通知で、多様性確保のため入試を工夫するよう求め、対象として「例えば、理工系分野における女子等」と明記した。阪大では、基礎工学部の入学者のうち女子の比率は例年1割前後にとどまっており、理工系分野に興味を持つ女子学生を増やして多様性を広げることが学内の活性化につながると判断したとみられる。
関西の国立大では、神戸大が25年度新設の「システム情報学部」(仮称)で学校推薦型選抜に15人の女子枠を設定。京大は26年度入試から、総合型・学校推薦型選抜で理学部15人、工学部24人を「女性募集枠」とする。