つくばエクスプレス(TX)守谷駅近くにある守谷市立黒内小学校で、児童数が市教育委員会の推計を超えて増え、2025年度から教室が不足することがわかった。市教委ではスクールバスを導入して他校への通学を促す対策などを提案している。

黒内小近くの交差点は朝は児童で混雑するため、時差登校を導入している(3月7日、茨城県守谷市で)

 児童数1268人(4月現在)の同小は、学級数が31以上の「過大規模校」。今春も新1年生が7学級あり、入学式は3回に分けて実施した。今年度は6学年で48学級(普通学級37、特別支援学級11)に上る。

 13年度の児童数は456人(16教室)だったが、駅前の開発や周辺の土地区画整理事業などで分譲住宅やマンションが相次いで建築されたため、児童数が増え始めた。

 15~16、20~21年度の2期にわたって校舎を増築したが、当初の市教委の推計を超えて児童数が増加。23年度にはパソコン教室も改築して51教室分を確保し、今年度はこのうち48教室を使っている。

 市教委によると、ピークは26年で1400人を超える見通し。このため、25年度は52教室、28年度は54教室が必要になり、最大3教室が不足することが判明したという。

 理科室や図工室などはプレハブの特別教室棟を建てて確保する方針。また、体育や休み時間に使うグラウンドとして近隣の公園を借りることを決めたが、教室の数をこれ以上増やすことは難しいという。

 同小の児童数を抑える対策として、市教委では今月から、同小の通学区に住んでいても希望すれば、他の小学校に変更できるとした。また、特にマンションや分譲住宅の多い「松並青葉地域」については特定地域に指定し、25年度から希望すればスクールバスで同小から2・5~4キロ離れた御所ヶ丘小か郷州小に通学できるとした。市教委ではスクールバス通学者を60人程度募りたい方針だが、実際にどの程度の人数が希望するかはわからないとしている。

 市教委が2月に開いた住民説明会では、スクールバスで遠方の小学校に通学することへの不安の声が出たほか、新しい小学校を建ててほしいとの意見も相次いだ。しかし、市教委では「これから学校を計画しても間に合わず、新設したとしても児童数は減少に転じていく。用地を確保できるかも不透明」と説明した。

 市教委の担当者は「引き続き、保護者に対して丁寧な説明を続けていく。黒内小以外への選択をお願いしたい」と話している。