埼玉県教育委員会は11日、中高生と保護者を対象にした、県立高校共学化の賛否などに関するアンケート結果を公表した。県立の男女別学高のあり方について、中学生の過半数が「(共学でも別学でも)どちらでもよい」とした一方で、高校生では「共学化しない方がよい」が過半数に上り、中高生で異なる傾向となった。

 アンケートは4月17日から1か月間、中高生とその保護者計約108万人を対象にインターネットで実施。開始時は無記名式だったが、2日後から記名式に変更された。記名式で集まった回答のうち、有効だったのは92%にあたる6万4829件。内訳は中学生2万4343件、高校生の保護者1万7410件、中学生の保護者が1万5790件、高校生が7286件だった。

 別学高の共学化について、中学生の56・2%が「どちらでもよい」とした。「共学化した方がよい」18・7%、「しない方がよい」19・3%と、別学維持の声が僅差で多かった。共学化に賛成する理由(複数回答)としては「性別によって入学できない高校があるのは公平ではない」、別学維持の理由では「(共学、別学の)両方を選べるのがよい」が最も多かった。

 一方で、高校生では別学維持を求める意見が57・2%と最も多く、「どちらでもよい」33・2%、「共学化した方がよい」7・8%だった。回答者のうち、7割が共学校に在籍する生徒だった。別学維持の理由では「両方を選べるのがよい」「共学化すると伝統の尊重や校風の維持ができなくなる」「学校生活を安心して過ごせる友人ができる」といった意見が多かった。

 11日開かれた教育委員会では、教育委員から「回答数をどう受け止めているのか」「結果をどう取り扱うのか」などの質問が上がっていた。アンケート結果を参考に、県教委は8月末までに、共学化の早期実現を求めた県男女共同参画苦情処理委員の勧告に対する報告書をまとめる。