自然科学分野の研究論文のうち、他の論文へ引用された数が「上位10%」に入る質の高い論文の数で、日本は世界13位だったことが、文部科学省の科学技術・学術政策研究所の調査でわかった。過去最低だった昨年の発表と同じ順位だったが、同研究所は「この数年分の傾向を分析すると、下げ止まりの傾向がある」としている。

文部科学省

 同研究所は、研究内容が注目されて他の論文に引用された回数が多い論文数について、国・地域別の年平均数と順位をまとめている。2020~22年分を集計したところ、引用数が上位10%に入る論文は中国が1位、米国が2位で、日本は昨年同様、イランに次ぐ13位だった。さらに影響力が大きい、引用数が「上位1%」に入る論文では、日本は昨年と同じ12位だった。

 同研究所によると、20年前は、先進7か国(G7)や経済協力開発機構(OECD)加盟国の論文数の割合が大きかったが、近年は中国が台頭。今回は特にインドやエジプト、サウジアラビアなど、グローバル・サウスと呼ばれる新興・途上国の伸びが目立ち、存在感が増しているという。