大分県教育委員会は、来年度行う県公立学校の教員採用選考試験で、大学3年生から1次試験(筆記試験)を受けられるようにすると発表した。辞退者の補欠合格制度も導入するほか、県外会場も3か所に増やす。教員のなり手不足が全国的な課題となるなか、受験者を増やすことで、優秀な人材を確保するのが狙いだ。(石橋龍馬)
1次試験に合格した3年生は、翌年の採用試験を2次試験から受けられる。不合格だった場合も翌年、改めて1次試験に挑戦できるため、1次試験通過のチャンスが2度になる。
また、採用枠ごとに予定者数に合わせた補欠合格者数を決め、合格者が辞退した際に順位順で補充する。
このほか、小中学校教諭については、私立学校の正規教員も、他県で教壇に立つ正規教員を対象にした特別選考を受験できるようにする。大阪市だけだった県外会場も、東京、大阪、福岡の3会場に増やす。
県教委によると、今年度行った採用試験の合格倍率は2・6倍。校種別では小学校教諭が最も低く、1・3倍だった。ここ数年は辞退者数も増加傾向にあるという。
県教委教育人事課の吉田英徳・採用試験・免許管理監は6日の記者会見で「人材確保は喫緊の課題だ。受験者数の増加につなげたい」と期待を寄せた。
1次試験は6月15日。会場や採用予定者数などは、4月に発表する実施要項で公表する。

