国公立大学2次試験の前期日程が25日、各地で始まった。文部科学省によると、前期日程は172大学に23万5719人が志願。倍率は前年度と同じ2・9倍だった。中期日程は3月8日以降、後期日程は同12日から行われる。

2次試験会場に向かう受験生ら(25日午前、東京都文京区の東京大本郷キャンパスで)=後藤嘉信撮影

 東京大学本郷キャンパス(東京都文京区)では午前8時に開門し、受験生たちが続々と試験会場へ向かった。大阪府の私立高3年の男子生徒(18)は、ロケットや宇宙船の設計に興味があるといい、「ここまでひたすら過去問を解いてきた。全力を出して、合格したい」と意気込んだ。

 大手予備校の河合塾によると、今年は、大学入学共通テストの予想平均点上昇を受け、受験生が志望校を変えずに挑む「強気の出願」傾向が浮かんだ。前期日程の志願者数を前年と比較したところ、東北大や京都大は104%。名古屋大は103%、北海道大は101%だった。

2次試験会場に向かう受験生ら(25日午前8時13分、東京都文京区の東京大本郷キャンパスで)=後藤嘉信撮影2次試験会場に向かう受験生ら(25日午前8時13分、東京都文京区の東京大本郷キャンパスで)=後藤嘉信撮影

 一方、東京大が89%で過去30年間で最少の志願者数となったほか、東京科学大(93%)や一橋大(98%)も志願者を減らした。河合塾の近藤治・教育研究開発本部主席研究員は「東京周辺には国公私立の有力大が多く、進路変更の選択肢が広い。競争激化を警戒して、『準難関大』に受験生が流れたのではないか」とみていた。

 東進ハイスクールを運営するナガセの集計によると、学部系統別の志願者数は「法・政治学」が前年比110%と人気を集めた。

 ナガセの進藤紀彦執行役員は「法学部は難易度が高い大学が多く、共通テストの難易度が下がった影響が表れた」と分析した。