著名人が苦しんだ思春期の葛藤・乗り越えた経験、担当記者が語る取材エピソード
naoai2025-09-04T12:03:38+09:00宇田和幸 猪塚さやか 山口翔平 松本将統 染木彩 8月下旬に連載した「STOP自殺 #しんどい君へ」のインタビュー企画では、各界で活躍する6人が、いじめや貧困などで苦しんだ過去と、それを乗り越えた経験を語ってくれた。今、悩んでいる子どもたちへのメッセージを、取材した記者の思いと共に振り返る。「常に一流であれ!」「人間関係は必ず変化していきます」ラグビー選手 姫野和樹さん(31)常に一流であれ! 姫野さんは経済的に苦しい環境で育ち、自ら稼ぐようになるまでお金で苦労し続けたという。タックルしてはすぐに起き上がり、攻守にわたって最前線で体を張り続けるスタイルと、そんな過去とがなかなか結びつかなかった。今回、子どもたちを勇気づけようと、「コンプレックスだった」という生い立ちを語ってくれた。 中学時代の恩師の「心を鍛えて、常に一流であれ」という言葉を胸に練習に励み続けた。日本代表の主将にまで上り詰めた今、はたから見たら、困難を乗り越えた成功者なのだろう。でも、「友達と半分に分けた肉まんやアイスよりおいしいものに、今も出会ったことがない」と屈託なく笑う姿は、まるで少年のようだった。「生きてりゃ何とかなるから」という一言には重みがあった。タレント 井上咲楽さん(25)人間関係は必ず変化していきます 井上さんは高校時代に芸能活動を始め、先輩から「何であんな顔で」と悪口を言われた。先輩を怒らせたと悲観したが、「今思うと、気にすることでもなかった。学校は狭い世界だから」と言い切る。 友人関係に悩む若者へ、趣味やアルバイトなどで学校外のコミュニティーとのつながりを増やすことを勧める。「色んな人と関わって」と送るエールは、若者の視野を広げるだろう。 インタビューをした2人とも、思春期のつらい経験を丁寧に語ってくれた。「同じような苦しみを抱える若者を救いたい」という思いが詰まったメッセージが、多くの人に届いてほしい。(宇田和幸) 姫野和樹さんのインタビュー記事は こちら 。 井上咲楽さんのインタビュー記事は こちら 。 「明るい所に花は咲く」落語家 桂宮治さん(48)明るい所に花は咲く 桂さんは今も他人の顔色をうかがい、気を使って疲れてしまうことがあるという。「そんな僕も僕。個性だから直そうと思っていない」と割り切るが、そう思えるまでに40年以上かかった。 同級生から嫌なことをされても、傷ついた心を隠して笑った。常に誰かと比べて劣等感を抱えていた。取材中、子どもの頃のつらい記憶を、天井を仰いだり、斜め下を向いたりして思い起こし、笑顔も見せながら、誠実に言葉を紡いでくれた。きっと、私にも気を使っていたのだろう。これが桂さんの優しさだと感じた。 「人にひどい言葉を投げかけてしまう人より、相手のことを考えて傷ついている人の方が、僕は大好き」。誰かの何げない一言で落ち込んだ時、この言葉が届き、少しでも気持ちが軽くなるよう、願っている。(猪塚さやか) 桂宮治さんのインタビュー記事は [...]










