University News

博士課程の進路や留年率公表、大学に義務化へ…学生の不安解消し人材増加狙う

2024-06-08T18:34:06+09:00

 政府は、博士号の取得を希望する学生を支援するため、大学院を設置する全ての大学に対し、博士課程に関する情報の開示を義務づける方針を固めた。国際的に技術革新競争が激化する中、日本では博士課程に進学する学生が減少しており、実態を開示して学生の不安を解消し、博士人材の増加につなげる狙いがある。文部科学省 公表を義務づける情報は、留年率や中途退学率、修了後の進路状況、標準年数で博士課程を修了した学生の割合などを検討している。文部科学省の中央教育審議会大学分科会で了承を得た上で、学校教育法施行規則を今年秋にも改正する方針だ。大学はインターネットや刊行物で情報を公開する。  文科省によると、博士課程の入学者数(留学生を除く)は、2003年度の約1・8万人から23年度には約1・5万人に減少した。 博士課程の修了までに標準の3年を超過する割合は人文・社会科学系で約8割、理学や工学でも約4~5割に達している。博士号取得に要する年数が長いことから、学生は重い授業料負担を強いられ、将来の見通しを立てづらくなる問題が指摘されている。博士課程の情報開示が進めば、大学側が一定期間内の修了に向けて指導に努めることなどが期待される。 同省では今年3月、博士人材活躍プランを策定し、人口100万人あたりの博士号取得者数を40年に約3倍とする目標を掲げている。産業界に博士人材の採用拡大や処遇改善を求めるなど、博士課程の進学希望者を後押しする施策も進めている。

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国立大の財務「もう限界」…国立大学協会が異例の声明

2024-06-08T00:09:35+09:00

 国立大学協会は7日、国からの運営費交付金の減額や物価高騰を受け、国立大の財務状況は「もう限界だ」と訴える異例の声明を発表した。東京都内で記者会見した永田恭介会長(筑波大学長)は、国に対し運営費交付金の増額を求めた。国立大学の窮状を訴える国立大学協会の永田恭介会長(7日) 声明によると、運営費交付金は2004年度の水準から1割超減少した一方、近年の円安や物価高騰、社会保険などの経費の上昇で、各大学の財務状況は「危機的な状況だ」と訴えた。永田会長は「高度人材の育成や世界水準の研究を維持するため、国や国民の皆さまにも理解を頂きたい」と述べた。  一方、東京大などが授業料の値上げを検討していることについて、永田会長は「地域によって所得水準も異なる。(最大で2割まで認められている)値上げは、各大学の裁量で判断すべきだ」との考えを示した。

国立大の財務「もう限界」…国立大学協会が異例の声明2024-06-08T00:09:35+09:00

「哲学対話」で思考を深める、埼玉有数の進学校が取り組む「答えなき問い」を語り合う意味

2024-06-07T13:44:57+09:00

 「なぜ生きるのか」「どうして学校に通うのか」。正解が一つではない問いは世の中にあふれていますが、そんな課題に真剣に向き合い、意見を出し合う「哲学対話」という取り組みを行う学校があります。埼玉県内有数の進学校、 開智(かいち) 中学・高校(さいたま市)を訪ねました。 「柚木さんちの四兄弟。」で初主演の藤原大祐、「弟たち」との仲を深めることができた理由 哲学対話の様子 「正しさと優しさはどっちが大切か?」。5月のある日、中学1年生の教室を訪ねると、こんなテーマで「哲学対話」が行われていました。生徒は輪になって座り、手を挙げるとボールが手渡され、意見を発表します。  「正しさが大事だと思う。優しさを優先すると、 安易(あんい) に人にお金を貸すなど自分に害が及ぶ可能性がある」。そう話す生徒もいれば、「正しさも優しさも自己満足では。どちらも相手に届くとは限らない」と、異なる視点からの意見を述べる生徒も。初めて体験した青井竜之介君(12)は「普段から答えのない問いについて考えることが好きなので、楽しかった」と笑顔で話していました。  「哲学対話」とは、特定のテーマについて生徒たちに考えてもらう取り組みです。中学の道徳の授業の一環として、2012年度から行われています。必ず意見を言う必要はなく、全体で話し合って結論を出すこともありません。担当の広畑光希先生(29)は「じっくりと考えを深めてもらうことが目的。目には見えないところで、生徒に変化があると信じてやっています」と語ります。哲学対話の魅力について語り合う(左から)鳴海さん、石井さん、中村さん  実際、経験したことで変化はあったのでしょうか。高校2年の石井 紬希(つむぎ) さん(16)、 鳴海紗弥(なるみさや) さん(17)、中村 佳穎(かえ) [...]

「哲学対話」で思考を深める、埼玉有数の進学校が取り組む「答えなき問い」を語り合う意味2024-06-07T13:44:57+09:00

東大授業料2割値上げ検討、学生らが反対集会…教員3人も登壇し懸念を表明

2024-06-07T00:09:12+09:00

 東京大学が授業料を見直し、2割の値上げを検討していることを巡り、反対を訴える学生らが6日、東大本郷キャンパス(東京都文京区)で集会を開いた。主催した学生らによると約400人が参加し、大学に対して、値上げ案の撤回や公開の場での交渉などを求めていくことを決議した。東京大学の赤門 東大は、年間の授業料を現在の53万5800円から20%引き上げて64万2960円とし、早ければ来年度の入学者から適用する方向で検討している。  集会には、東大教員3人も登壇し、値上げが学生らに与える影響への懸念を表明した。駒場キャンパス(東京都目黒区)からオンラインで参加した教養学部2年の男子学生(20)は「今回の授業料値上げに学生の声は反映されていない。(私たちには)未来の新入生の声を代弁する責任がある」と訴えた。 あわせて読みたい  東京大学、授業料の値上げ検討…上限まで引き上げなら10万円増 創価女子短大が閉学へ、26年度から学生募集を停止…共学や4年制志向強まり 阪大、26年度の基礎工学部入試に「女子枠」導入へ…京大・神戸大もすでに予定 理系難関・東工大、「女子率」15%に…新設の「女子枠」選抜で今春56人合格

東大授業料2割値上げ検討、学生らが反対集会…教員3人も登壇し懸念を表明2024-06-07T00:09:12+09:00

ふるさと納税を私大経営に活用、文科省が先行事例調査へ…直接寄付より控除大きく手続きも簡単

2024-06-05T06:22:31+09:00

 文部科学省は、全国の私立大学を対象にふるさと納税制度を利用した外部資金の獲得状況について、近く実態調査に乗り出す。18歳人口の減少で私大の経営は厳しさを増しており、調査で把握した先行事例を周知して導入を促す方針だ。 ふるさと納税制度を利用した大学への寄付は、使い道として特定の大学への支援を選ぶと、自治体から大学側に補助金として交付される仕組み。自治体と大学の寄付金の配分や返礼品の有無など運用は様々だ。  東京都新宿区のふるさと納税に支援の項目が設けられている早稲田大学は返礼品がなく、寄付金の最大7割が大学に交付される。2022年は約8400万円に上った。北海道江別市の酪農学園大学は大学内で作られたアイスクリームやチーズを返礼品とし、最大3割が補助金として交付される。 ふるさと納税制度を利用すると、大学を運営する学校法人に個人で直接寄付するよりも控除幅が大きく、手続きも簡単になる。また、自治体にとっても、卒業生に寄付が広がるといったメリットがあるという。 大学進学者数のピークは26年となる見込みで、以降は減少局面に入る。私大は収入の大半を入学金や授業料などに頼っており、少子化は経営に直結する。 文科省は実態調査でふるさと納税制度の活用有無や運用方法などを尋ね、支援策を探る。担当者は「日本には寄付文化があまり根付いていない。寄付のハードルを下げ、私大の経営基盤強化につなげたい」と話している。

ふるさと納税を私大経営に活用、文科省が先行事例調査へ…直接寄付より控除大きく手続きも簡単2024-06-05T06:22:31+09:00

ふるさと納税を私大経営に活用、文科省が先行事例調査へ…直接寄付より控除大きく手続きも簡単

2024-06-05T06:22:30+09:00

 文部科学省は、全国の私立大学を対象にふるさと納税制度を利用した外部資金の獲得状況について、近く実態調査に乗り出す。18歳人口の減少で私大の経営は厳しさを増しており、調査で把握した先行事例を周知して導入を促す方針だ。 ふるさと納税制度を利用した大学への寄付は、使い道として特定の大学への支援を選ぶと、自治体から大学側に補助金として交付される仕組み。自治体と大学の寄付金の配分や返礼品の有無など運用は様々だ。  東京都新宿区のふるさと納税に支援の項目が設けられている早稲田大学は返礼品がなく、寄付金の最大7割が大学に交付される。2022年は約8400万円に上った。北海道江別市の酪農学園大学は大学内で作られたアイスクリームやチーズを返礼品とし、最大3割が補助金として交付される。 ふるさと納税制度を利用すると、大学を運営する学校法人に個人で直接寄付するよりも控除幅が大きく、手続きも簡単になる。また、自治体にとっても、卒業生に寄付が広がるといったメリットがあるという。 大学進学者数のピークは26年となる見込みで、以降は減少局面に入る。私大は収入の大半を入学金や授業料などに頼っており、少子化は経営に直結する。 文科省は実態調査でふるさと納税制度の活用有無や運用方法などを尋ね、支援策を探る。担当者は「日本には寄付文化があまり根付いていない。寄付のハードルを下げ、私大の経営基盤強化につなげたい」と話している。

ふるさと納税を私大経営に活用、文科省が先行事例調査へ…直接寄付より控除大きく手続きも簡単2024-06-05T06:22:30+09:00

「記憶」「集中」は紙学習で…富山大学の准教授ら「デジタル機器使用は限定すべきだ」

2024-06-04T18:03:58+09:00

英国医師会雑誌に研究成果を掲載  記憶に残りやすく集中できる学習はデジタル機器よりも「紙」で――。こんな研究成果を、富山大学の山田正明准教授(社会医学)らの研究グループがまとめた。英国の医師会雑誌「BMJ Open」のオンライン版に掲載された。 研究はコロナ禍でオンライン学習が増えた2022年4~5月、富大医学部や薬学部の学生(939人)を対象に実施。344人がアンケートに答えた。  その結果によると、「記憶」と「集中」の分野では、デジタル機器よりも「紙の方がよい」と答えた学生は、いずれも全体の7割を超えた。一方、「わかりやすさ」については、紙、デジタル機器、同等という回答が、いずれも3割ずつに分かれた。 また、デジタル機器を用いた学習時間の長さを〈1〉2時間未満〈2〉2~4時間〈3〉4時間以上――の三つに分け、それぞれの学生に評価を聞いた。「わかりやすさ」では、学習時間が長ければ長いほど「デジタル機器の方がよい」と答える学生が増え、〈3〉では44・3%に達した。ところが「記憶」と「集中」では、〈1〉〈2〉〈3〉のどの区分でも「デジタル機器の方がよい」と答えた学生は10%以下にとどまった。 山田准教授によると、「わかりやすさ」でデジタル機器が優位になる理由は、検索が短時間で済むことや音声で語学が学べることなどが挙げられるという。ただ、深い学びにつながる「記憶」や「集中」という分野では、紙による学習が望ましいとした。 「目の疲労」については8割の学生が「デジタルの方が悪い」と回答しており、山田准教授は「小中学校でもデジタル機器の活用が進められているが、使用時間を限定し、紙の学習を中心にするべきだ」と話している。

「記憶」「集中」は紙学習で…富山大学の准教授ら「デジタル機器使用は限定すべきだ」2024-06-04T18:03:58+09:00

早稲田大学の学内イントラネットで4年間、氏名とメルアド35万件が閲覧できる状態に

2024-06-04T12:28:19+09:00

 早稲田大学の学内イントラネットで、在学生や一部卒業生などの氏名とメールアドレス約35万件の一覧が約4年間、閲覧できる状態になっていたことが分かった。同大は利用者から指摘を受けた5月に設定を変更し、国の個人情報保護委員会と文部科学省に報告した。学外への情報漏えいは確認されていないとしている。早稲田大学・大隈講堂 同大によると、在学生、卒業生、教職員が使う学内イントラで、システムの機能が変更された2020年4月から、一覧が見られるようになっていた。変更時に機能が追加されたことに気づかなかったのが原因だという。同大は今年5月3日に指摘を受け、9日に設定を変えた。

早稲田大学の学内イントラネットで4年間、氏名とメルアド35万件が閲覧できる状態に2024-06-04T12:28:19+09:00

指導難しい図工と美術に生成AI活用、子どもと対話重ね個性や関心引き出す…群馬県教委が導入へ

2024-06-03T18:01:23+09:00

 群馬県教育委員会は、公立小中学校で2学期が始まる9月にも、約10校の図画工作と美術の授業で対話型生成AI(人工知能)を活用する。県教委が授業で生成AIを使うのは初めて。専門性が高く指導が難しい科目に導入することで、教員の負担軽減を図りつつ、子どもたちの個性を伸ばすことを目指す。 児童タレント酷似の性的画像、「本物」として拡散の恐れ…データ販売元「誰でも好きな女性の画像を作れる」  県教委が主な使い方として想定するのは、子どもの個性や関心を引き出すため、児童生徒と生成AIが対話をする方法だ。子どもたちが作品を作ろうとする際、タブレット端末で疑問を書き込むと、AIは「なぜそう思ったの?」「何が好きなの?」と対応。質問に対して画一的な答えを教えるのではなく、子どもが自ら答えを出すように促す。  県教委によると、小学校では教員免許が科目ごとに分かれていないため、図工に関しては教員の指導力の差が大きい。中学校の美術については専門の免許を持っている教員が少ないという課題がある。 県教委は「教員が主観に基づいて指導すると、子どもが自分で考えて制作できなかったり、作品の見栄えを優先して制作過程をおろそかにしたりする可能性もある」と懸念。生成AIの活用で、適切な指導のあり方を教員が学ぶことも期待している。 県は、タブレット端末で著名な画家や作品を学べる「デジタルドリル」などと合わせた事業費5000万円を今年度一般会計補正予算案に盛り込み、開会中の県議会に提出している。可決されれば、2学期から公立小中学校約10校で試験導入し、効果を検証しながら各校に広げていく考えだ。 一方、様々な著作物について学習する生成AIを巡っては、著作権を侵害するリスクも懸念されている。県教委は、今回導入予定の生成AIは画像を提示せず、文章のみでやりとりする点などから著作権侵害のリスクは低いとしつつ、「開発業者と相談しながらシステムを作っていく」とする。また、国語や算数といった他の科目への導入も視野に入れているという。 県教委総務課は「作品の完成度や技能、知識の習得ばかりを求めるのではなく、子どもの思考を深められる授業にするための支援にしたい」としている。 あわせて読みたい  埼玉県立の男女別学12高校共学化、各校で「反対多数」…熊谷高は「大多数が反対予想」とアンケート実施せず 保護者の不当要求や苦情、校長OBが対応…教員負担軽減へ教委に配置 法政大キャンパス、「電動トゥクトゥク」で通学……学生アイデア実験「割り勘ならバスより安い」 子どもの権利、「うんこドリル」ですっきり分かる…条例化した川崎市が発行元とコラボ

指導難しい図工と美術に生成AI活用、子どもと対話重ね個性や関心引き出す…群馬県教委が導入へ2024-06-03T18:01:23+09:00

埼玉県立の男女別学12高校共学化、各校で「反対多数」…熊谷高は「大多数が反対予想」とアンケート実施せず

2024-05-31T14:38:47+09:00

 埼玉県の県立高の共学化を「早期に実現すべきだ」とする県の第三者機関からの勧告を巡り、男女別学高全12校の保護者代表が30日、各校で集めた意見を大野知事と日吉亨・県教育長宛てに提出した。共学化の賛否を尋ねたアンケートでは、各校とも6割弱から9割が「反対」とした。 反対意見の割合が高かったのは浦和高(93・5%)、浦和一女高(90・6%)、川越女子高(88%)など。「男女間の役割分担がなく、リーダーシップが育成されやすい」などの声が寄せられたという。一方、「時代の流れに合わせるべきだ」と、共学化に賛成する声もあったという。  熊谷高では「反対が大多数を占めることが予想される」との保護者代表の意見に基づき、アンケートを行わなかった。 意見書を提出した浦和高生の父親(46)は、自身の息子も共学化に反対の立場といい「子どもの背中を押してあげたいという保護者の思いをくみ取ってほしい」と訴えた。 県教育委員会は勧告に対する措置の報告を、8月末までに行うよう求められている。

埼玉県立の男女別学12高校共学化、各校で「反対多数」…熊谷高は「大多数が反対予想」とアンケート実施せず2024-05-31T14:38:47+09:00
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