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岡山理科大に国内初の「恐竜学科」、来年4月開設…専門科目を拡充し専任教員も増員

2024-07-25T18:17:13+09:00

 岡山理科大(岡山市北区)は、恐竜について多様な視点から学べる「恐竜学科」を来年4月に開設する。既存の生物地球学部生物地球学科内の「恐竜・古生物学コース」を学科に昇格させ、専門科目の拡充や専任教員の増員など教育・研究体制を強化する。「恐竜学科」開設へ決意を語る平野学長(右から3人目)(岡山市北区で) 平野博之学長は「世界的にもほとんど例がない独自の恐竜学を展開し、新しい知見を発信したい」と意気込む。文部科学省によると「恐竜学科」の開設は初めて。福井県立大も来春、「恐竜学部」(仮称)を開設する予定。  岡山理科大はバイオ関連企業の林原(現・ナガセヴィータ、岡山市北区)から古生物研究事業を引き継ぎ、2014年に「恐竜・古生物学コース」を開設。モンゴルのゴビ砂漠で恐竜化石の発掘などに取り組み、世界最大級の足跡化石を発見するなどの成果を上げてきた。 「恐竜学科」は6月21日に設置の届け出が文科省に受理され、来年4月の開設が正式に決まった。同大によると、恐竜研究を志す若者が増え、専任教員の数が足りなくなっていたという。ニーズに応えるため、専任教員を4人から8人に倍増させ、学生の受け入れ可能人数を約30人から45人に引き上げる。専門科目も12から33科目に増やす。分子古生物学や解剖組織学実習など生命科学の視点を取り入れた学びが特徴という。 恐竜学科専任教員に着任予定の実吉玄貴・准教授は7月17日の記者会見で、これまでの恐竜研究は地学、地質学が中心だったと説明。「恐竜を生き物として見るカリキュラムが必要だ。この10年の研究を礎に生命科学の視点を足し、自然科学に対する広範な学びの場にしたい」と力を込めた。 同大は27、28日に実施するオープンキャンパスで、学科の特徴や入試日程などについて説明する。

岡山理科大に国内初の「恐竜学科」、来年4月開設…専門科目を拡充し専任教員も増員2024-07-25T18:17:13+09:00

埼玉の県立高共学化論争、別学維持求め生徒・卒業生ら3万人超の署名提出…女子高生徒「私たちの話聞きながら考えて」

2024-07-25T12:06:26+09:00

 埼玉県立高の共学化を「早期に実現すべきだ」とする県の第三者機関からの勧告を巡り、浦和高など県内の別学高校全12校の生徒ら約50人が23日、県庁を訪れ、別学維持を求める3万4461人分の署名を県と県教育委員会に提出した。 別学高に加え、共学の大宮高、さいたま市立浦和高の生徒や卒業生の有志らが昨年12月から、オンラインで署名集めを開始。ほかにも街頭などで呼びかけ、3万人超の署名を集めた。この日は署名と、生徒たちとの対話を求める要望書を提出した。  受け取った県教育委員会の依田英樹高校改革統括監は「参考とさせていただく。将来の後輩となる中学生のことを考えた要望で、大変感銘を受けている」と答えた。 女子高の生徒(16)は「私たちの話を聞きながら考えてほしいという思いで来た。私は女子高で救われているので、中学生のみなさんの選択肢の一つとして守っていきたい」と話していた。 県教委は8月末までに、第三者機関の勧告への対応を報告するよう求められている。

埼玉の県立高共学化論争、別学維持求め生徒・卒業生ら3万人超の署名提出…女子高生徒「私たちの話聞きながら考えて」2024-07-25T12:06:26+09:00

都心に学びのスパイラル…吹き抜け 階ごとにずらす<青山学院大>

2024-07-25T12:06:26+09:00

 東京都心を横切る青山通り沿いの正門からイチョウ並木を進むと、ヒマラヤ杉がそびえる中庭に差し掛かる。周囲の建物の中で、ひときわ新しい一棟が青山学院大のマクレイ記念館だ。2階から上が、青山キャンパス(東京都渋谷区)の図書館になっている。 港町の歴史と共に…空襲、震災資料守り続けて<神戸大> 館内中央の吹き抜けの位置は各階で異なる。閲覧席の周りに観葉植物を配し、落ち着いた空間となっている 6階建ての記念館は今年4月にオープンした。2~4階の中央に大きな吹き抜けがある。ユニークなのは、開放部や階段の位置を各階で少しずつ、ずらしていることだ。 建物外周部に設けられた学習スペース「アイル(教会の側廊)」も学生たちに人気の居場所 4階から下を眺めると、まず3階が見渡せ、所々がまた吹き抜けになっている。そこからのぞく2階の光景は、まるで額縁の中の絵のようだ。各階の閲覧席で学生たちが思い思いに時を過ごす。 文学部教授で図書館長の伊達直之さん(63)は「訪れた学生たちが、お互いの存在を感じ、触れ合える場所にしたかった」と語る。 フロアによって吹き抜けや階段の位置が異なる構造は、上下階の距離感を縮め、行き来してみたいと思わせる。 伊達さんは「低層階で刺激を受け、上層階で学びを究め、得られた知見を再び低層階で他者と共有する。学びを循環させながら学生の成長を後押しする場が、この記念館だ」と説明する。 掲げたコンセプトは「知のスパイラル(らせん)」。記念館の地下と1階には情報メディアセンターが入り、「知と出会う」場と位置付けた。パソコンを備えた教室や映像編集室などを配し、学生は最先端のICT(情報通信技術)を駆使して、まず情報の入手や発信の方法を学ぶ。  図書館部分の2階から4階は「知を 拡(ひろ) げる」ことに重きを置いた。国内外の新聞と和洋雑誌、文庫や新書が並ぶ。活字から得た知識を学生たちが話し合い、共有することのできるスペースの「ラーニング・コモンズ」も設けられている。  上層階の5階と6階は、「知を深める」空間。専門書や判例集などをそろえ、授業の課題や論文執筆に集中して取り組める個室を配置した。学生はここで一人、文献と向き合い、思索を深める。  法学部3年の今村 天宥(たかひろ) さん(20)は「参考書や専門書が近くにあって便利。同じように勉強している仲間もいて、刺激になります」。 ヒマラヤ杉の奥にたたずむマクレイ記念館 青山キャンパスの図書館は、マクレイ記念館で3代目。半世紀前に建てられた2代目は老朽化が進み、本や資料の収蔵能力も限界に近かった。 新しい図書館では、最大150万冊が収蔵可能だ。このうち80万冊は4階から6階まで広がる巨大な自動書庫に収めるが、来年度からは学生が操作して自由に取り出せるようにする計画だ。 すぐに手に取れる開架だけでなく、書庫に控える多くの本と出会う機会も確保したい――。そんな願いが伝わってくる。 これからの時代を見据え、「可変性」も意識した。オープンスペースを増やし、しつらえを変えやすくした。社会情報学部教授で情報メディアセンター所長の宮治裕さん(55)は「想定が難しい未来の活動にも対応できる」と話す。 知の欲求にあふれた学生たちの学びを支える環境が、都心に整った。文・朝来野祥子写真・佐々木紀明<至宝>古書店で発見の貴書 江戸時代前~中期頃のものとみられる冊子本「みぞち物語」。名誉教授の佐伯真一さん(71)が古書店で見つけ、大学が1996年度に購入した。佐伯さんは「当時の様々な目録に記載がなく、知られていなかった貴重な作品だ」と語る。 佐伯さんが読み解いた物語の内容はこうだ。「越前(現在の福井県)の長者の娘が都人に恋をした。都人が髪を洗った水を飲むと懐妊し、出産した男児が3歳の時、再び訪れた都人のひざの上に座ると、突如姿を消し、髪を洗った水が残った」 「みぞち」は福井県鯖江市に残る地名「水落町」が由来と佐伯さんはみている。「地域伝承の物語なのか、中国古典を基にした創作なのか。興味は尽きない」と話す。[学長に聞く]好奇心 満たされる場に…稲積宏誠さん 68 「偶然なのかな」という気もしますが、図書館は初代が100年前に造られ、建て替えは50年前。そして現在の3代目と、半世紀間隔で切り替わってきました。 かつての図書館は、目的の文献を見つけるために行く所でした。今はそれだけでなく、幅広い知を提供し、学生の知的好奇心が満たされる場となることが求められています。 キャンパスの中に「知」の雰囲気を醸し出すことは重要です。グループで学ぶ、沈思黙考しながら学ぶ――。そういう場がようやくできました。キャンパスの学びのハブとなることを期待しています。■青山学院大 ■大学概要 米国人宣教師ドーラ・E・スクーンメーカーが1874年(明治7年)に東京・麻布に開校した「女子小学校」など三つの学校が源流。1949年(昭和24年)に新制大学として開学した。青山と相模原市にキャンパスがあり、11学部・11研究科で計約2万1000人が学ぶ。人と社会に仕え、その生き方が導きとなる「サーバント・リーダー」の育成を理念としている。 ■図書館 マクレイ記念館は、学院創立150周年の記念事業で建設された。延べ床面積約1万6700平方メートル。蔵書103万冊に対し、150万冊の収蔵能力を備える。2階には、キリスト教に関係する図書を集めた「シャローム・ライブラリー」がある。青山キャンパスの初代・間島記念図書館は1929年(昭和4年)築で、国の登録有形文化財として現存。相模原キャンパスにも「万代記念図書館」(蔵書84万冊)がある。 ■図書館の写真特集は こちら あわせて読みたい [...]

都心に学びのスパイラル…吹き抜け 階ごとにずらす<青山学院大>2024-07-25T12:06:26+09:00

同時通訳端末で外国人児童らもサクサク授業、「クラスにも溶け込みやすく」…神戸市教委が全国初導入

2024-07-24T18:26:07+09:00

 日本語に不慣れな外国人の児童生徒の学習環境を整えようと、神戸市教育委員会は今年度、授業通訳支援ツール「ポケトークforスクール」を全国で初めて導入した。教員が話す日本語を瞬時に翻訳し、児童生徒の手元の学習用端末に母国語で表示するもの。市によると、自治体では初の取り組みといい、少しでも早く日本での学校生活になじめるようサポートしていく。(高田果歩) 「共通点を分類して」「情報を整理して」。市立義務教育学校港島学園(中央区)の7年生(中学1年)の教室で行われていた国語の授業。室之園裕美教諭(48)が日本語で説明すると、生徒の手元の学習用端末に同時通訳で中国語が表示された。  中国籍の生徒(13)は指示を理解した様子で、クラスメートの助けを借りながらワークシートに取り組んだ。生徒は「とても便利」と喜ぶ。室之園教諭も「みんなと同じように授業を受けられることで、クラスに溶け込みやすくなっている」と効果を感じている。 導入したのは、自動翻訳機の製造販売会社「ポケトーク」(東京)が教育機関向けに開発したサービス。小型マイクを通した教員の言葉を同時通訳するもので、74の言語に対応している。今年3月に4校で試験導入し、5月から小、中、義務教育学校の計19校で活用を始めた。母国語で文章を読めることが必要なため、小学4年生以上を対象に、利用は原則、来日後最初の1学期間を想定している。 神戸市によると、市内在住の外国人は今年4月時点で約5万6300人で、2015年から約1・3倍に増加。外国籍の児童生徒は62か国約1700人おり、そのうち、日本語での学習が難しい児童生徒は15年と比べて約1・7倍となる657人に上るという。 市教委によると、外国籍の児童生徒らの学校園での生活支援は、主に「ランゲージ支援員」が付き添っている。だが、近年は日本語指導を必要とする児童生徒は増加傾向にあり、支援員が不足。各校は小型自動翻訳機も活用してきたが、同時通訳機能がなく、支援員不在時の学習支援が課題となっていた。 市教委は今後、各校の活用状況を踏まえて、導入校を増やすことも検討しているという。日本語教学べる教室も 市教委は、学校生活に必要な日本語の習得支援として、来日まもない児童生徒向けの教室「日本語ひろば」を開講している。 平日午前3時間の11日間連続講座で、市総合教育センター(中央区)で実施。今年度は11回を予定し、日本語指導の資格を持つ支援員が講師を務める。6月中旬から始まった4回目の講座には、ベトナムやネパール、中国、インド出身の児童6人が参加。講座では簡単なあいさつやひらがな、数字の読み方をゲームを交えて楽しく学んでいた。 ベトナムから5月に来日した小学4年の男子児童(9)は「たくさん友達をつくっておしゃべりできるように、日本語を頑張る」と意気込む。小学2年の娘が受講しているインド国籍の会社員(35)は「家族でも日本語で会話する時間をつくりたい」と話していた。

同時通訳端末で外国人児童らもサクサク授業、「クラスにも溶け込みやすく」…神戸市教委が全国初導入2024-07-24T18:26:07+09:00

同時通訳端末で外国人児童らもサクサク授業、「クラスにも溶け込みやすく」…神戸市教委が全国初導入

2024-07-24T18:26:05+09:00

 日本語に不慣れな外国人の児童生徒の学習環境を整えようと、神戸市教育委員会は今年度、授業通訳支援ツール「ポケトークforスクール」を全国で初めて導入した。教員が話す日本語を瞬時に翻訳し、児童生徒の手元の学習用端末に母国語で表示するもの。市によると、自治体では初の取り組みといい、少しでも早く日本での学校生活になじめるようサポートしていく。(高田果歩) 「共通点を分類して」「情報を整理して」。市立義務教育学校港島学園(中央区)の7年生(中学1年)の教室で行われていた国語の授業。室之園裕美教諭(48)が日本語で説明すると、生徒の手元の学習用端末に同時通訳で中国語が表示された。  中国籍の生徒(13)は指示を理解した様子で、クラスメートの助けを借りながらワークシートに取り組んだ。生徒は「とても便利」と喜ぶ。室之園教諭も「みんなと同じように授業を受けられることで、クラスに溶け込みやすくなっている」と効果を感じている。 導入したのは、自動翻訳機の製造販売会社「ポケトーク」(東京)が教育機関向けに開発したサービス。小型マイクを通した教員の言葉を同時通訳するもので、74の言語に対応している。今年3月に4校で試験導入し、5月から小、中、義務教育学校の計19校で活用を始めた。母国語で文章を読めることが必要なため、小学4年生以上を対象に、利用は原則、来日後最初の1学期間を想定している。 神戸市によると、市内在住の外国人は今年4月時点で約5万6300人で、2015年から約1・3倍に増加。外国籍の児童生徒は62か国約1700人おり、そのうち、日本語での学習が難しい児童生徒は15年と比べて約1・7倍となる657人に上るという。 市教委によると、外国籍の児童生徒らの学校園での生活支援は、主に「ランゲージ支援員」が付き添っている。だが、近年は日本語指導を必要とする児童生徒は増加傾向にあり、支援員が不足。各校は小型自動翻訳機も活用してきたが、同時通訳機能がなく、支援員不在時の学習支援が課題となっていた。 市教委は今後、各校の活用状況を踏まえて、導入校を増やすことも検討しているという。日本語教学べる教室も 市教委は、学校生活に必要な日本語の習得支援として、来日まもない児童生徒向けの教室「日本語ひろば」を開講している。 平日午前3時間の11日間連続講座で、市総合教育センター(中央区)で実施。今年度は11回を予定し、日本語指導の資格を持つ支援員が講師を務める。6月中旬から始まった4回目の講座には、ベトナムやネパール、中国、インド出身の児童6人が参加。講座では簡単なあいさつやひらがな、数字の読み方をゲームを交えて楽しく学んでいた。 ベトナムから5月に来日した小学4年の男子児童(9)は「たくさん友達をつくっておしゃべりできるように、日本語を頑張る」と意気込む。小学2年の娘が受講しているインド国籍の会社員(35)は「家族でも日本語で会話する時間をつくりたい」と話していた。

同時通訳端末で外国人児童らもサクサク授業、「クラスにも溶け込みやすく」…神戸市教委が全国初導入2024-07-24T18:26:05+09:00

廃部寸前→部員約120人、「驚異の復活劇」で全国屈指の強豪「新聞部」…総文祭「連続最優秀」狙う

2024-07-21T12:39:29+09:00

 学校新聞を発行する「新聞部」。みんなの学校にはあるだろうか? 埼玉県東松山市にある県立松山高校の新聞部は、部員数なんと118人!! 野球部などのいわゆる「王道部活」を差し置いて、校内No.1の規模なのだが、数年前までは廃部の危機にあったというから驚きだ。驚異の復活劇と、人気の秘密に迫った。(読売中高生新聞編集室 鈴木経史) 医師の姿が「板につきすぎ」の岡崎紗絵…ファッションモデルから俳優への転身「難しいからこそやりがい」 6月に引退した3年生を含めると部員は130人を超える!(松山高校新聞部提供) 部員ゼロが続いていたが… 新聞部の活動は、2019年の夏からストップしていた。3年生の引退で部員がゼロになり、休部状態が続いていたのだ。 このままでは、いつかは廃部になってしまう。そんなピンチを救ったのが、21年4月に顧問になった国語科の矢野悠季先生だ。顧問の矢野悠季教諭  当時、松山高校に着任したばかりだった矢野先生。新聞部がいつからあるのか、どんな活動をしていたのか、正直よくわからなかったが、「学校の歴史を記録する新聞部を、なくしていいわけがない!」と、強い使命感に 駆(か) られたという。  「新聞部を生まれ変わらせよう」と、4月から担任を受け持った1年生のクラスで生徒たちに声をかけるなど、先生自ら勧誘に 奔走(ほんそう) 。熱い思いは実を結び、一気に22人もの新入生が入部した。止まっていた時計の針が、ついに動き出した。 「やりたいことをやる!」部員は急増  「新生新聞部」がモットーに 掲(かか) げたのは「やりたいことをやる!」だ。学校新聞というと、校内のイベントや部活動の大会を取り上げるイメージが強いが、部員たちの興味のおもむくまま、学校外にも、積極的に取材に出かけている。  3年の波多野礼央さん(17)は「気になっている人に会いに行ったり、注目の場所を直接訪れたりできる。部活なのに、自分たちの意思で学校の外にどんどん出て行けるのが、ほかの部活にはない面白さです」と、活動の魅力を語る。 [...]

廃部寸前→部員約120人、「驚異の復活劇」で全国屈指の強豪「新聞部」…総文祭「連続最優秀」狙う2024-07-21T12:39:29+09:00

少子化見据えて大学を統廃合や定員減で適正規模に…中教審が年度内に答申へ

2024-07-20T07:28:32+09:00

 中央教育審議会の「大学分科会」と「高等教育の在り方に関する特別部会」の合同会議が19日、開かれた。今後の急速な少子化を見据えた大学の統廃合や定員減を進め、適正規模にしていくべきだとする中間まとめ案を大筋、了承した。中教審は年度内に答申する予定。  文部科学省によると、2023年の18歳人口は約110万人で、大学進学者は約63万人。中間まとめは、40年頃に進学者が毎年、中規模の大学約90校の入学定員に相当する約2万3000人減少するとの試算を示し、「定員未充足や募集停止、経営破綻に追い込まれる高等教育機関がさらに生じることは避けられない」と強調した。 その上で規模適正化の具体策として大学の定員縮小・撤退に向けた支援と指導の強化や再編・統合の推進などを挙げた。大学の新設についても、将来の学生確保見通しなどに基づく設置認可審査の厳格化を求めた。 一方、今後は高等教育が受けられなくなる地域が出てくる恐れもあるとし、大学や自治体、産業界で、地域の実情に合った適正規模や人材育成について話し合う場の構築などを促した。23年度には、地方を中心に私立大の53%が定員割れとなっている。 学生の成績評価や卒業認定の厳格化、留学生や社会人など多様な学生の受け入れ推進による「教育の質」の向上策も示した。 特別部会は秋以降、国から大学への公財政支援や授業料など学生・保護者負担の在り方、民間からの寄付や投資拡大など多様な財源確保について議論する。

少子化見据えて大学を統廃合や定員減で適正規模に…中教審が年度内に答申へ2024-07-20T07:28:32+09:00

被災地に教職員チーム、派遣制度を創設…避難中の学習や授業再開へ迅速支援

2024-07-19T18:53:08+09:00

 文部科学省は、大規模災害の被災地に、全国から教職員チームを派遣する仕組みを創設する方針を決めた。児童生徒の安否確認や避難中の学習支援などにあたる。今年1月の能登半島地震の教訓を踏まえ、被災地での学びを継続することが重要だと判断した。 能登離れ民宿で生活しながら3か月、石川県総体で勝ち進み「支えてくれた人たち」に感謝 文部科学省 新たな仕組みは、医師や看護師らを派遣する「DMAT(災害派遣医療チーム)」を参考に設ける。名称は、災害時教育支援チーム「D―EST(Disaster Education Support Team=ディーエスト、仮称)」とする。  D―ESTでは、まず文科省の職員が被災した市町村に入ってニーズを把握し、学校支援チームのある自治体に派遣を要請する。現在、宮城や三重、兵庫、岡山、熊本の5県が独自に学校を支援するチームを設けている。文科省は活動例を示し、ほかの都道府県でも設置するよう促す。来年度予算案の概算要求に関連経費を盛り込む方針だ。 学校支援チームは、教職員やスクールカウンセラーらで構成する。災害時に学校現場に入り、被災した児童生徒への学習支援や心のケアを行う。学校早期再開に向け、校舎の片付けや通学路の点検なども担う。 能登半島地震では、兵庫県や熊本県などの学校支援チームが被災地入りした。災害の発生直後は、自治体は災害復旧や生活支援への対応に追われ、子どもの学びの確保が遅れることが多いとの指摘がある。災害時の対応の研修を積んだ教職員が現地入りすることで、迅速な支援につなげる考えだ。 あわせて読みたい  9年で夏休みが14日も短くなった公立校、家計にも効果…「なぜ古賀だけ短いのか」の声に丁寧な説明 公立小中高の教員不足、少なくとも4037人…全教調査「学校現場は限界にきている」 [データは誰の手に]「子供の情報どこでどう使われているのか」…学習端末巡り保護者から不安の声 小中学校の学習端末利用で児童生徒の情報をアプリ業者が直接取得・管理…文科省が全国調査へ

被災地に教職員チーム、派遣制度を創設…避難中の学習や授業再開へ迅速支援2024-07-19T18:53:08+09:00

9年で夏休みが14日も短くなった公立校、家計にも効果…「なぜ古賀だけ短いのか」の声に丁寧な説明

2024-07-19T12:32:15+09:00

 多くの小中学校で夏休みに。福岡県古賀市ではその夏休みが年々短くなっている。9年前は39日間あったが、この夏は25日間。教員の働き方の見直しがきっかけだったが、経済的に余裕がない家庭への支援という効果もあり、県内外の自治体から問い合わせが相次ぐ。(大塚晴司)教員の働き方改革を進める長谷川教育長(中央)と松本校長(左)、島居校長 「ずいぶん早いな」。昨年度、市立千鳥小の校長になった松本剛さんは、早い教員は午後5時過ぎには帰り支度を始め、7時頃には職員室がほぼ空っぽになる様子に驚いた。  教員は放課後、個別の指導や保護者への対応、翌日の授業の準備などに追われ、中学校では部活動の指導もある。長時間勤務が常態化し、深夜に及んだり、日をまたいだりすることも珍しくない。松本さんは市外でも校長の経験があるが、居残る教員たちに「せめて8時には帰ろう」と声をかけるのが常だった。 「そんな状態で翌朝、笑顔で教壇に立てるのか」。2015年度に教育長になった長谷川清孝さんは、働き方の見直しに乗り出した。まず翌年度、全小中学校の学級を35人以下に。次に、週5日のうち4日、6時間目まで授業があることに着目した。6時間目になると、教員、生徒に疲れが見えた。 学習効果が低下する6時間目をやめることで放課後に新たな時間を作り出そうと、長谷川さんは校長会と協議を重ね、6時間目の日を段階的に減らしていった。削った授業数を補うため、夏休みと冬休みを徐々に短縮。昨年度から6時間授業を週1日だけにし、夏休みを25日間まで縮めた。 「時間的にも精神的にも余裕ができ、より細やかに生徒に向き合えるようになった」と、市立古賀北中校長の島居隆浩さんは話す。午後5時前には、全生徒が下校。教員も早く学校を出て保育所に子どもを迎えに行けるようになり、同僚らに気兼ねせず働けるようになったという。 長谷川さんが「最初は考えもしなかった」という効果も出ている。 経済的に厳しい家庭にとって、給食がない夏休みは食事を用意する手間や費用が増し、子どもが家にいることで余計な光熱費が家計にのしかかる。 25日間に踏み切った昨年の夏休み明け、長谷川さんは中学生を育てるひとり親の女性に言われた。 「お金がないから高校や大学に行かせられないとは言いたくないので、必死に働いています。夏休みが短くなって、学校で子どもを見てもらえ、安心して働けるようになりました」 古賀市では6時間授業の見直しと並行し、校則の簡素化や部活動の縮小、水泳授業の民間委託など、教員の負担軽減策を次々に打ち出してきた。 その結果、精神疾患による休職者は大きく減り、20年度以降は22年度の1人だけに。校長との面談で「古賀以外では働きたくない」と言う教員も少なくなく、市外へ転出した教員からは、あまりの労働環境の違いに「古賀に戻して」との訴えも届く。「学校はブラック職場」とすり込まれ、教員になるつもりがないまま教育実習に来た学生が、「ブラックではなかった」と思い直し、採用試験を受けるケースも複数出ている。 周辺の宗像、福津市や福岡市の今年の夏休みは38日間。独自の短縮に教員の一部には不満もあり、保護者から「海外旅行の選択肢が狭まる」と抗議もあった。長谷川さんや田辺一城市長、市教委は児童生徒や保護者、市民から「なぜ古賀だけ短いのか」と問われることがあるが、丁寧に説けば理解を得られるという。 「教員にゆとりがあれば、子どもへの教育効果が上がる。仮説だが、学校がストレスのない場所になれば、不登校もゼロに近付けられるのではないか」。長谷川さんはそう語る。

9年で夏休みが14日も短くなった公立校、家計にも効果…「なぜ古賀だけ短いのか」の声に丁寧な説明2024-07-19T12:32:15+09:00

公立小中高の教員不足、少なくとも4037人…全教調査「学校現場は限界にきている」

2024-07-19T01:45:43+09:00

 全国の公立小中高校などで、定数を満たせなかったり、産休や育休による欠員を埋められなかったりする「教員不足」が、今年5月時点で少なくとも4037人に上ることが、全日本教職員組合(全教)の調査でわかった。全教の担当者は「学校現場は限界にきている。労働環境の改善が急務だ」と話している。文部科学省 調査は、全国の教育委員会や組合員に対し、5月1日現在の状況を尋ね、回答のあった37都道府県と10政令市の結果をまとめた。  教員不足は小学校で1732人、中学校は1244人、高校は433人、特別支援学校は473人に上った。理由別では主に、「定数を確保できない」が902人、産休・育休や病気休職などの「代替者がいない」が計1161人、「授業のみを担当する非常勤の教員らの不足」が927人だった。 影響として「体育科(の教員)が家庭科を代行」「授業を2クラス分まとめて体育館などで実施した」などの回答があった。 教員不足への対策については、回答のあった7割が非常勤教員らで対応しているとしたが、3割近くは人的補充がないまま校内でやり繰りするなどとしていた。 昨年5月の調査でも回答があった24都道府県と5政令市で結果を比べると、教員不足は昨年の2018人から今年は2753人に増えていた。 文部科学省が2021年度に全国で行った初の実態調査では、教員不足は公立校で2558人だった。

公立小中高の教員不足、少なくとも4037人…全教調査「学校現場は限界にきている」2024-07-19T01:45:43+09:00
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